
兵庫県南あわじ市は、淡路人形浄瑠璃資料館にて、市制20周年と淡路人形浄瑠璃資料館の開館35周年を記念した特別展「淡路座と大阪」を2月5日(木)~3月22日(日)の期間開催している。入場は無料。
2つの節目を祝う特別展

特別展「淡路座と大阪」は、2025年1月11日に市制20周年を迎えた南あわじ市と、2025年8月1日に開館35周年を迎えた淡路人形浄瑠璃資料館のアニバーサリーを記念した企画の第2弾である。昨年4月に開催された「昭和の人形浄瑠璃をみる!タイムスリップ写真展」に続くもので、今回は淡路の人形座(淡路座)と大阪の結びつきに焦点を当てる。
展示の見どころ
今日、「淡路人形浄瑠璃」と「文楽」は、それぞれ淡路・大阪を代表する伝統芸能として位置づけられ、両者を別々のものとして理解する傾向がある。しかし、江戸時代から近代に至るまで、淡路の人形座(淡路座)は常に大阪(大坂)の興行界と結びつき、全国で広範な巡業活動を展開してきた。両者は「義太夫節による人形浄瑠璃」としては同一の芸能であり、その相互関係に着目することは人形浄瑠璃史を把握する上で極めて重要だ。
同展示は、大阪公立大学教授の久堀裕朗氏が展示監修・解説執筆を担当。資料別に4つのカテゴリに分け、淡路座と大阪の関係を示す諸資料を展示することで、両者を一体の芸能として捉え直す視座を提供する。

正井万平翁手録

てる遺品と伝えられるかんざし・櫛・笄(こうがい)
今回は文楽軒関連の貴重な資料も初公開となる。これらの資料は、初代文楽の妻の甥にあたる正井万平家(現・淡路市久留麻)に伝えられたもので、現所蔵者である谷野茂氏(万平家4代目にあたる故・正井克己氏の甥)の厚意により展示が実現した。郷土芸能という枠を越え、日本を代表する伝統芸能「人形浄瑠璃」という視点から、両者の結びつきを改めて見つめ直す機会となるだろう。
淡路人形浄瑠璃とは
淡路人形浄瑠璃は、500年の伝統を持つ淡路人形芝居である。その始まりは神事とされ、西宮の傀儡師 百太夫(かいらいし ひゃくだゆう)が淡路の三條村に住みつき、村人に人形操りを教えたのが起源といわれている。
18世紀には全盛期を迎え、淡路島内には一時40を超える人形一座があった。その後、他の芸能の人気に押されて衰退の危機を迎えたが、地元の人々を中心とした保存伝承運動により、名門「吉田傳次郎座」の人形や道具一式を譲り受けて「淡路人形座」が発足した。現在、淡路島でプロとして活躍するのは南あわじ市福良にある「淡路人形座」一座のみとなっている。
淡路人形浄瑠璃資料館について

淡路人形浄瑠璃資料館外観
淡路人形浄瑠璃資料館は、淡路島の伝統芸能である淡路人形浄瑠璃に関する資料を展示・保管する施設。昭和40年代半ばで活動を停止した名門「市村六之丞座」の人形・道具等一式を譲り受け、1990年に淡路人形発祥の地(江戸時代の三條村)に開館した。

淡路人形浄瑠璃資料館内部
入館は無料で、希望があれば簡単な解説も可能。人形浄瑠璃の芝居を上演する「淡路人形座」とは車で約15分の距離にあり、セットで訪れる人も多い。なお、団体での来館は、混雑を避けるため予約が推奨されている。
特別展「淡路座と大阪」で、郷土が誇る伝統芸能のルーツを辿ってみては。
■特別展「淡路座と大阪」
開催期間:2月5日(木)~3月22日(日)
会場:淡路人形浄瑠璃資料館 特別展示室
住所:兵庫県南あわじ市市三條880
開館時間:10:00~17:00
休館日:水曜日(水曜日が祝日の場合は開館、翌平日休館)
入場料:無料(館内他の展示も無料で観覧可能)
淡路人形浄瑠璃資料館詳細:https://www.city.minamiawaji.hyogo.jp/soshiki/jyoururi/ningyo.html
(Kanako Aida)